『ぼくとフリオと校庭で』 諸星大二郎 その7


『ぼくとフリオと校庭で』   諸星大二郎 その7
 全1巻 初版1991年8月 アクションコミックス 双葉社


なんという面白さだろう
形容しがたい、面白さである


10作の短編が収録されている

  1. 方舟が来た日
  2. 難破船
  3. 鎮守の森
  4. ぼくとフリオと校庭で
  5. 沼の子供
  6. 流砂
  7. 黒石島殺人事件
  8. 蒼い群れ
  9. 影の街


不気味・奇怪・奇妙・珍妙・怪奇・幻想・皮肉・恐怖・畏怖・そしてギャグ
諸星大二郎の独特の画風で、人間の持つ全ての感情を表現している


ノアの方舟をモチーフにしたお笑い、またエイリアンをモチーフにしたギャグ
この巻頭の2作品はフルカラーである
読んでる間、ゾッとするほど怖くなった『鎮守の森』
子供の視点で捉えた不思議な物語、表題作の『ぼくとフリオと校庭で』
ありえない設定はお手の物の『沼の子供』
そういうことか、と思った『流砂』
最後は殺人事件そのものを無かったことにしてしまう『黒石島殺人事件』
究極の不条理とアイロニーを込めた、『城』
これまた究極の臓器移植を描いた、恐怖の『蒼い群れ』
これも子供心に棲む怪物を具現化した『影の街』


設定や展開もすごくユニーク
あっという間に諸星大二郎の世界に惹きこまれてしまう
登場人物や物語の方向性、テーマなども多岐に亘り
笑いから恐怖まで、この一冊の完成度は非常に高いと言わざるを得ない
これだけの表現では、全く足りない
この面白さ、この作品集の素晴らしさを、稚拙な私の文では表現できない


だから、是非読んでください!


もう、サイコーです