『鉄の墓標』 戦場漫画シリーズ2  松本零士 その7



『鉄の墓標』    戦場漫画シリーズ2  松本零士 その7
 
 全1巻(シリーズ9巻)  初版1974年12月 少年サンデーコミックス


ブリキの棺桶・・・
日本軍の戦車のことである
装甲は薄い、火力は弱い、足は鈍足
アメリカ軍の戦車と相対したら、横綱と子供くらい力の差は歴然としている
そんな中で、兵隊はどんどん死ぬ
女も子供も、丸焼けになって死ぬ
狙撃兵だって、死ぬ
パラシュートで脱出したって、死ぬ
ゼロ戦はおろか、オスカー(隼)だってフランク(疾風)だって、相打ちで死ぬ
高射砲打ちも、死ぬ
サイドカー乗りだって、死ぬ
銃機関銃兵だって、死ぬ
楽家も、百姓も、屋台引きも、みんな死ぬ
ジャングルの中で、腐り、あるいは錆び、満天の星空の中、ただ朽ちていくのみである


そんな戦争の、哀しさ、虚しさを描いた作品が5話、収録されている


第1話:鉄の墓標
第2話:戦場交響曲
第3話:グリーン・スナイパー
第4話:鉄の竜騎兵 
第5話:メコンの落日


すべて面白い
傑作である
ぜひ読んでください!