『お〜い！竜馬』 原作･武田鉄矢 作画･小山ゆう その１

『お〜い！竜馬』　　　原作･武田鉄矢　作画･小山ゆう　
　全２３巻　　初版1987年11月　ﾔﾝｸﾞｻﾝﾃﾞｰｺﾐｯｸｽ

･･･この漫画を面白いと云わずして、何を面白いといえようか？

歴史に名を馳せる【坂本竜馬】
幼少の頃から夢の一歩手前で暗殺されるまで
その生涯を描いた作品、といってしまえばそれまでだ
しかし、とてもそんな一言では表せない、この面白さは何だ？

愉快で、痛快で、頼もしく、剣を取っては御前試合で優勝し、身分が低いため最大限の屈辱を味わされ、友を大事にし、またその友を次から次へと失う悲しさを乗り越え、幕府を倒そうとする幕末の志士とともに権力に立ち向かい、敵対する薩摩と長州に命がけで同盟を組ませ、無分差別をなくし民主主義を確立させ列強各国の侵略から日本を守り、その上日本初のカンパニーを創り世界へ飛び出すという恐ろしくデカイ夢を持ち、今日ある日本のために奔走した短くも充実した坂本竜馬の人生･･･

男が、いや女でも、この作品を読めば【坂本竜馬】というサムライのことを、見直さざるをえなくなる
それを書いた【武田鉄矢】にも、おそれいった

【武田鉄矢】の坂本竜馬好きは、昔から知っていた
武田鉄矢といえば、私の年代からすれば、フォークグループ
あの『海援隊』である
すでに、坂本竜馬の『海援隊』から名をもらっているのだ
テレビドラマで、坂本役で出たのも見た
しかし、好き、だけで、漫画の原作も書いてしまったのか？
いや、違う　きっと勉強に勉強を重ね、坂本竜馬についてものすごい博識になったのだ
まことにおそれいった
ちなみに、今の世代は、『３年Ｂ組金八先生』の方が有名だろう
『贈る言葉』は大ヒットしたし、トシちゃんや野村、よっちゃんの『たのきんトリオ』もこの学園ドラマの卒業生だ
見た人は知っているだろうが、とにかく武田鉄也は、熱い！
その熱さと、坂本竜馬の熱さは通ずるものがあるようだ

続いて、【小山ゆう】
『おれは直角』『がんばれ元気』『スプリンター』『愛がゆく』などの作品は、悪いが飛ばし読みしていた
悪いけど、画は綺麗だがそれほど好きでも何でもなかった
しかし！
この『お〜い！竜馬』は別格だ！
実に、よく描けていると思う
斬れば血が噴出し、切腹すればはらわたも出る
実らぬ恋も、踏みにじられた悔しさも、友を思う心も泪も、よく描けていると思う
小山ゆうは、時代劇向きじゃないかと思う
なぜなら、『あずみ』も超面白いからだ
その証拠に、もう５０巻近く続いているし、私も持っているし、映画にもなっている
とにかく、この漫画を読んで坂本竜馬がもっと好きになった
読むものを引き込む小山ゆうの作画はたいしたものだと思う

この作品は、歴史、幕末から維新にかけての歴史の勉強にも、とてもオススメ！
といっても、もう遅いか
史実に基づいているし、なによりこの頃活躍しテストにも出そうな人・もの・出来事が克明に描かれている
亀山社中・海援隊・黒船・大政奉還・寺田屋事件・池田屋事件・生麦事件・新撰組・薩長同盟・土佐勤皇等・尊皇攘夷・公武合体・松下村塾
西郷吉之助（隆盛）・大久保一蔵（利通）・中岡慎太郎・乾退助（板垣）・後藤象次郎・山内容堂・吉田松陰・桂小五郎（木戸孝允）・高杉晋作・勝海舟・徳川家茂・徳川慶喜・岩崎弥太郎・陸奥宗光・岩倉具視（ここまで東都６大学コース）

武市半平太（武市瑞山）・おりょう・坂本乙女・中浜万次郎（ジョン万次郎）・吉田東洋・小松帯刀・三岡八郎（由利公正）・近藤勇・土方歳三・沖田総司・伊藤俊輔（伊藤博文）・久坂玄瑞・井上聞多（井上馨）・山縣狂介（山縣有朋）
（このへん東京６大学）

この漫画を読めば、幕末の歴史は完璧ＯＫ！
すべてが生きた人となり、頭にすぅっと入って行く
漫画で受験勉強できるのだ

坂本竜馬は、過去たくさんの小説やドラマや映画になっている
でも、漫画ではあまりなかったと思う

みなさん、是非、ぜひ、
読んでください！！！

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