『妖怪ハンター』 諸星大二郎 その1
『妖怪ハンター』 諸星大二郎 その1
全1巻 初版1978年7月 ジャンプスーパーコミックス
おどろおどろしい・・・
この作家の漫画には、こんな表現が合うような気がする
楳図かずおとも違う
日野日出志とも違う
つのだじろうとも違う
この人は、ものすごい勉強家だと思う
古文、古事記、古書、文献、論語などはもちろん、過去の伝説や逸話、寓話、土着信仰、考古学、アニミズムなどが作品にふんだんに出てくる
その如実正しい論理・諸説に基づいて話が展開していくから、話にかなり説得力があり、何となく現実的なものに思えて、怖くなる
『ハガレン』にでてくる【反魂の術】は、もう既にこの作品に出てくる
『もののけ姫』にでてくる【ししがみ】も、すでにここに出てくる
おどろおどろしい妖怪・邪鬼・悪鬼などは、諸星大二郎の世界
かなりここから使われていると思う
作品の内容は、その名の通り、日本各地に出没する妖怪を処理して行く話
好きな人は好きだと思う
ただし、ネームが多いので読むのに大変時間がかかる
また、収録の『生命の木』
圧倒的な迫力です
本の最後に、第7回手塚賞入選作である『生物都市』が収録されている
これは本格的SF
しかし、やはりおどろおどろしい
『千と千尋の神隠し』や『もののけ姫』を見て、諸星大二郎の世界に似ていると思ったのは私だけではあるまい
オカルトか?ホラーか?スプラッターか?SFか?
それは、あなたが決めてください
非常に稀有な漫画家だと思います
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PS:映画化されていたようです
主人公に【沢田研二】とか、【安部寛】とか
是非見たいものだ