『アダムの肋骨』−SF傑作短編集− 諸星大二郎 その9


『アダムの肋骨』  −SF傑作短編集− 諸星大二郎 その9
 全1巻 初版1978年9月 奇想天外コミックス 奇想天外社



アダムの肋骨・・・
聖書を読んでいれば、知っている
創世記にでてきます
そう
『女』のこと


聖書、それも創世記からは、様々な作家・漫画家がいろいろなプロットをいただいています
エデンの園しかり、ノアの方舟しかり、生命の木しかり
あのドラクエだって、しっかりもらっています
セーブは教会だし、なんてったって、あの『ロト』
ロトはアブラハムの甥であり、同性愛者の町や近親相姦・・・云々
マルスファイアーエムブレムにだって、マケドニアだの、アカネイア(聖書ではアカイア)、カインにアベル
挙げ始めたらきりが無い


でも、諸星大二郎は、相変わらず気味が悪い
この表紙
この鳥達が、この顔で、生殖行為を行うんですよ
あ〜、解説したい!


諸星大二郎の初期の頃の短編集で、8作収められています

  1. 貞操号の遭難
  2. アダムの肋骨
  3. 男たちの風景
  4. 不安の立像
  5. 真夜中のプシケー
  6. 肉色の誕生 -ホムンクルス-
  7. 袋の中


どれもこれも、本当に気味が悪い
嫌いな人は読めないでしょう
可哀相に
こんなに面白いのに読めないなんて!!!


貞操号の遭難』の、エロティシズム
『男たちの風景』の、あの大どんでん返し!
『礎』は、後に『鎮守の森』に続く一つ目小僧伝説
『真夜中のプシケー』や『袋の中』の、終わらせ方の恐怖


なんて面白いんだ!
すべて傑作ぞろいである


この本はなかなか手に入りづらいが、後に集英社から出ているようだし
失楽園』でも、だいたい読める


ものすごく、クセのある漫画家だとは思います
しかし、読める人は是非読んでください
面白いことは間違いないから