『スノウホワイト』 グリムのような物語 諸星大二郎 その15


『スノウホワイト』 グリムのような物語   諸星大二郎 その15
 全1巻  初版2006年11月 東京創元社


私の持っている諸星大二郎の作品の中で、一番新しいものかもしれない
この本は、タイトル通り『グリム童話』のネタを持ってきている


グリム童話は、アンデルセン童話やイソップ物語などと比べて、非常にエグイらしい


なるほど!
諸星大二郎にピッタリだ!
最後にみんな死んでしまったり、友達を食べてしまったり・・・
童話だから、主人公が、鳥やネズミや、果てはソーセージや藁しべや炭だったり
それが諸星大二郎に描かれるものだから
ユニークというか、グロイというか、ヘンというか


もちろん、7匹の子やぎとか、長靴をはいた猫とか、白雪姫とか、
有名なのも、ほのぼのする話もある
しかし
何度も言うが、描いているのが、あの諸星大二郎である
彼の味付けによって、メルヘンの物語は
SFになったり、トンでもない展開もあり
それがこの本の妙味になっている、と思う


12作の物語が収められている

・七匹の子やぎ
・奇妙なおよばれ
・漁師とおかみさんの話
・スノウホワイト
・小ねずみと小鳥と焼きソーセージ
ラプンツェル
・コルベス様
・めんどりはなぜ死んだか
・カラバ侯爵
・藁と炭とそら豆
・とりかえっ子の話
・金の鍵(書き下ろし)


最後に、12ページにも亘って、作者自身による一話一話の解説がイラスト入りで載っている


不思議で奇妙な、諸星大二郎のメルヘンの世界を堪能してください