『三丁目の夕日 傑作集 その4』 西岸良平 その1


三丁目の夕日 傑作集 その4』   西岸良平 その1 
全?巻  初版2007年2月 ビッグコミックスペシャル 小学館


西岸良平 初登場です


この『三丁目の夕日』、私が今さら解説する必要もないくらい
非常にほのぼのする、心温まるお話です


時代は昭和の30年代
そう、私が生まれ育った子供時代そのものです
メンコ(私の地域ではパッチンと言った)やビー球、おはじきやパチンコ
カブトムシや様々な昆虫、3種の神器、高度経済成長
その他、昔の時代のしきたりや生活、学校や地域
本当に思い出深い、懐かしいほのぼのする出来事を
西岸良平が独特の絵柄とタッチで、余すところなく描いています


最初は、西岸良平の画が、あまりに独特で好きではなかった
しかし、この漫画にハマッたのは、なんと今中学生の、私の娘だった
勿論、娘は昔のことなど知る由もないし、今の文化的な生活にドップリつかっている
この漫画のどこが好きなのか?
絵柄は超独特だし、昔の話ばかりだし、全くわからない
しかし、我が家には西岸良平の三丁目がどんどん増えている


私も、今となってはこの漫画が大好きだ
ノスタルジーなのか、幼少時代に戻るのか


多分、あの時代は、今の日本に失われた、大切な何かがある!
その大切なものを描き続けているからこそ、三丁目は国民に愛されているのではないか?


昭和の30年代と言えば、車やテレビ、冷蔵庫や洗濯機など
今の家庭には当たり前にあるものが、金持ちの家にしかなかった
今の時代に比べて、時間がもっとゆっくり進んでいた
今の家族のすれ違いに比べ、当時は家族でいる時間がたっぷりあった
何より、今の現代人の疲れきった顔に比べ、もっと生き生きした笑顔があった


現代の日本は物質的に言えば、非常に豊かになり
当時とは比べ物にならないくらい、文明の利器がはびこり
表面的には豊かと言える
なのに、なぜあの時代が懐かしいのだ?
何故いま、あの時代より、寒々としているのだ?
何でも機械がやってくれて、時間がたっぷり有るはずなのに
何故忙しくて慌しいのだ?


物質があって、金もあって、豊かな生活をしていても
幸せとは限らない
不便で、貧乏で、生活が楽でなくても
明るく笑顔で暮らせるのではないか?


どちらがいいかは、一言ではいえない
が、この漫画が支持されているのは
現実に豊かな暮らしの中で、幸せだと感じていない人が
たくさんいるからではないだろうか?
昔はよかった
貧乏だけど、楽しかった
世の中が明るかった
そう思っている人が、たくさんいるからではないだろうか?


14歳の小娘が、何故にこの漫画が好きなのかは、
親である私でさえ、わからない
親の私が好きだ、とういうならわかるのだが・・・


オジサン、オバサンは、是非読んでみてください
勿論、子供たちも
きっと、この漫画『三丁目の夕日』の中に
未来の日本像を見いだすのではないか?
そう思えてなりません