『悪魔くん世紀末大戦』 水木しげる その1
『悪魔くん世紀末大戦』 水木しげる その1
全1巻 初版2005年5月 レジェンドアーカイブス チクマ秀版社
「ゲゲゲではじまる、朝8時!」
NHKが、朝の連ドラを15分、早くした時のコピー
そして今、「ゲゲゲの女房」が毎朝放送されている
水木しげるのどん底生活、片腕生活を、妻の視点から描いている
ドラマは面白い!
自宅の裏が、墓場
ド貧乏生活、貸本漫画家稼業
手が一本、ない
こんな水木しげるが、やがて誰もが知る【ゲゲゲの鬼太郎】を生み出す
「ねずみ男」や「目玉オヤジ」「子泣き爺」「砂かけ婆」「ぬりかべ」「一反木綿」
個性豊かなキャラは、今も燦然と輝いている
貸本がメインだったのもあるし、古くからの作家なので
現在なかなか水木しげるの本を手にする機会は恵まれない
しかし、このチクマ秀版社という出版社が、
埋もれた名作、傑作、秀作、幻の作品をあらためて出してくれているらしい
マンガファンにとっては、非常に喜ばしいことだ
この【悪魔くん世紀末対戦】は、
人類が貧富の差別無く、幸せに暮らせる千年王国を目指す悪魔くんと
竹久首相やサタン氏などの対抗勢力と闘う話
十二使徒を集めていく途中、7人を集めたところで
終わりになってしまっている
ここでいう悪魔くん⇒世界を救うメシア
本末転倒と言うか、皮肉っているというか・・・
画は独特
おどろおどろしいし、ベタも多く暗く、ヘンな妖怪の類もタップリ
好きな人は好き、嫌いな人は嫌い
でも楳図かずおや日野日出志とはちょっと違う
血が出たり内臓飛び出たりとも違う
ゲゲゲの鬼太郎は、テレビ放映の都合で、随分お茶の間に適した
柔らかい作りになっているので、これもちょっと違う
まあ、読んで見なければわからない
手塚治虫先生とは、ある意味対極にあるような漫画家
日向を歩き、王道を進み、子供たちに大人気だった
【ときわ荘】の面々とは正反対の
日陰道で、貧乏で、マニアには受けるものの大衆には受け入れられない
【水木荘】
今のオタクの原点があるような気がする
とにかく、これが世界に誇る今の日本マンガ、ひいては
アニメ・コスプレ・秋葉原の基礎を築いたと
私は思いたい
最近だけは、NHK連ドラの影響で本を買いやすい状態と言えよう
さあ、日陰の原点を読んでみてください
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